本日はプロボのでのシナリオライティングを中心に絵コンテの話まで行います。
企画、シナリオ、プロットについても話したいと思います。
まずは、企画に関してです。
企画というのは、
簡単に言ってしまえば、訴求と解決のキャッチボールです。
何かの目的やゴールがあるとして、そこに向かうために
どんな球を投げ、それをどう打てばよいかを指し示していく過程を言います。
今回は、CMの企画について考えてみましょう!
そして、次はシナリオに関してです。
シナリオとは、ドラマや映画の台本のことです。シナリオを書く手順として次のことを考えます。
- テーマ
- シノプシス 梗概 あらすじ
- プロット 筋立て
- シナリオ 台本
1.テーマ
まずテーマというのは、観客に伝えたいメッセージのことです。
「自分」は「◯◯」に関して「このように」感じており、人に「このように」伝えたいと思っている
2.シノプシス
梗概(こうがい)とか”あらすじ”と呼ばれるものです。シノプシス=”あらすじ”
3.プロット
そして、人物の設定、人間関係や心情変化を明確にしていく筋立てに相当するのがプロットです。とともに、シナリオを書く上で実は一番重要なのがこのプロットなのです。
プロットは、”骨組み”のことです。設定と登場人物、そして物語によって大きな流れがどのように変化していくのかを節(プロット)として捉えたものです。ですから、プロットは、物語の骨格であり、これから書くシナリオが線だとすれば、プロットは点であり、プロットの点を線で繋いでいく作業がシナリオライティングと言えると思います。
4.シナリオ
そして演技の内容を示すシナリオ(台本)からなります。
シナリオとは映画、ドラマなど映像の台本のことで、演技の舞台設定、登場人物、セリフ、ト書きなどを書き込んでいくテキストのことです。小説とは異なり、余計な美文や文学的な装飾は省かれ、シーンや演技を客観的な描写として書くことです。
シナリオライターは、これら3つの要素をひとつのドキュメントとしてまとめて提出します。
「柱」、「ト書き」、「セリフ」で構成されます。
「柱」(Headline)は、
そのシーン場面の舞台となる場所を指し示します。これはカメラを置く場所(撮影場所)ではなく、登場人物が行動している場所と考えてください。つまり場面の場所は公園だとしても、カメラは遥かに離れた反対側の丘から撮影しているのかもしれません。「柱」は、シーン(登場人物)の位置、時間帯の順に書き記します。最初に◯を書き、ひとマス空けて場所、時間を記します。
「ト書き」(Narrative Description)は、
もともとは歌舞伎用語です。歌舞伎の脚本では、古くから役者の動きや音楽を指定するために、“ト振り向いて”や“トやって来る”のように書かれていました。 映像シナリオにおけるト書きは、行の一番上から3マス空けて、人物の動作やそのシーンの状況を具体的に書き記します。 ここで一つ注意して頂きたいのは、ト書きは常に現在の状況を書き記さなければならないという点です。ですから現在形で書くのが原則です。
「セリフ」(Dialogue)とは、
文字通り登場人物が話す言葉を指します。 セリフは、行の頭に登場人物の名前を書き、その下にカッコを書いてその内容を書きます。セリフが長くなり、改行する場合は2行目からは段落を1マス空けて下さい。続けて上から書くと読みにくくなりますからね。 また、“!”や“?”などの感嘆符の後も1マス空けて下さい。 セリフの最後の丸“。”は省略して下さい。 これらは、全てシナリオを読みやすくするためのルールです。
ひとつの短編ドラマを例にとって、シナリオ、絵コンテ、ビデオコンテ、カット表、香盤表、完成品を見ていくことにしましょう。
見比べることでいろいろなことが見えてくるはずです。
ちなみに
映画ではシナリオは Scenario あるいは Screenplay (スクリーンプレイ) と呼ばれます。
「YOKO ~がむしゃら~」
瑤子は文学部に通う普通の大学4年生。就職を決める時期にきて、なんとなく趣味
で始めていた写真から広告業界に行きたいと父親に相談するのだが、まったく相手に
されず、意気消沈してしまう。ある日、瑤子は午後の授業が休講でいつもより早めに
帰宅につく。電車の吊革につかまり何気なく車窓の外に目をやると、母校である高校
の杉の木が目に入る。たまには行ってみようと、母校を訪ねてみる。そこでかつて自分
がやっていたバスケ部の練習に出会う。
『瑤子の場合』シナリオ
シナリオ『ヨーコの場合』第5稿
『瑤子の場合』絵コンテ
瑤子の場合_絵コンテ
全カット表
瑤子編-全カット表 (2)
香盤表(カット表とカットの順番が違う⇦その日の効率よい撮影の順番を決めてある)
瑤子編-1129香盤表
香盤表
瑤子_香盤表
ビデオコンテ/完成動画比較
完成ムービー
映画用脚本シナリオテンプレート WORD版
撮影の構図について
撮影におけるさまざまな知識を身に付けていきたいと思います。ここではまず、実際の撮影における構図、Layoutレイアウトを考えてみたいと思います。特にフレーミング(Framing)は映像の構図を決める上で重要な役割を果たします。次に撮影時の各Shotショットについて話したいと思います。撮影時のカメラの固定の仕方、手持ちや三脚、リグマウント、最近ではジンバルなどもあります。またカメラワークと呼ばれるカメラの動きとその効果についても考えていきましょう。それらによってどんな構図でどんなショットを撮影すれば良いのか理解を深めていけると思います。そして最後に撮影時に必要な技術的なポイントを解説します。センサーサイズ、シャッタースピード、絞りF値、ISO感度から露出と被写界深度の関係とその注意点を説明していきます。
カメラは、あくまでも撮影するための箱です。大きさも種類も用途によって様々あります。同じ構図でもカメラやその特性を使いこなすことによってその撮影の結果は違ってきます。上手に使いこなすことによって効果的で素晴らしいショットを作っていってください。
構図・レイアウトLayout
構図を決めるために画面内に何を配置するかが重要になります。そのため、あらかじめ画面内に何がはいるのか?何の要素を映すのかを十分に考える必要があります。
映画の構図 フレーミング Framing
フレームとは枠、額縁のことです。
映像にはフレーミングという概念があります。フレーミングとは視界を画面として「切り取る」ことです。「切り取るこ」とによって映像は2つに分けられます。「フレーム=枠の中」と「フレーム=枠の外」です。フレームに切り取られることによって、初めて視覚から映像が映像として切り出されたことになります。これが視覚から映像の分離です。ここで映像ははじめて意味を持つことになります。フレームの中で行なわれていること、そしてフレームの外で行なわれていること。それぞれがどのような意味を持つか事例を上げて見ていくことにしましょう。
視覚からの映像の分離
映像が視覚から切り離されたことによって、観客はその切り出された部分に何らかの意味を見出そうとします。それは作者(誰かの)の目線でもあり、観客への視線の誘導であり、注目して欲しい対象物や見せたい願望や伏線、ヒントかもしれません。
フレームを意識する
観客はフレーム内の出来事に集中します。と同時にフレーム内で起こるさまざまな出来事やフレーム内にはいってくる新たな登場人物や事象に注目しようとします。フレーミングによって私たちは次に示す4つの事象に注目する、あるいは意識させられることになります。
a) フレーム内での出来事
b) フレームイン フレームに入ってくるもの、あるいは人
c) フレームアウト フレームから出ていくもの、あるいは人
d) フレームの外での出来事
a) フレーム内での出来事
映像の基本はまずフレームの中で何が行なわれているかです。観客はそこに集中します。ですからフレーミングを決定する時にはフレーム内の構図として何を捉えるかを充分考慮します。
b) フレームイン
c) フレームアウト
観客は画面内に入って来たり、出て行くものに一旦注目します。そしてその後のカットをそのつながりとして見ようとします。
d) フレームの外での出来事
フレームの外側で行われていること。
フレーム外の想起
フレームの外側で行なわれていることは基本的に映像として映し出すことは出来ません。ですが、いくつかの手法によりフレーム外で行なわれていることを想起させることは出来ます。その手法を紹介していきましょう。
•音による想起
•目線による想起
•リアクションよる想起
•音による想起
フレーム内ではその音の原因が分からないもの。例えば、銃声、例えばドアの閉まる音、汽笛、急ブレーキ、足音、などです。それによって観客は、フレーム外で起こっていることを想像することができます。時には人物の視線やリアクションに頼らなくても音だけで表現することも出来ます。
•目線による想起
これもフレーム内の人物に頼る例です。人物が視線をフレームの外にしてその視線が移動したとしたら、観客はその視線の先にある注目するモノや人が移動していると思うはずです。
•リアクションによる想起
これもフレーム内の人物のアクションから分かる例です。例えば人物が格闘している時に身を屈めたとします。それはパンチが映っていなくても何らかの攻撃が来ることを想像させます。
ここでフレーム内の表現の別の要素に関して言及しておきます。それはフォーカス(ピント)です。映像がカメラで撮影されている以上カメラ、レンズの特性として被写界深度を持っています。被写界深度とはフォーカスが合っている奥行きの幅のことです。
カメラの目線は誰の視点なのか?
観客は映像の冒頭からカメラは誰の視点なのかを分かろうとします。ですから私たちは視点の主人公を決めなければなりません。視点の主人公は、次の場合が考えられます。
神の視点=客観視点
POV=登場人物誰かの主観視点
神の視点
基本的にカメラの目線はそこには存在しない神の視点です。神の視点にはえこひいきがあります。常に主人公に寄り添った視点であるべきです。それによって観客は無意識のうちに神の気持ちと同じように主人公に寄り添い始めます。その現象を「感情移入」といいます。
ただし必ずしも常に主人公に寄り添う訳ではなく、あくまでも一定の距離をおく神の視点も存在します。監督や撮影監督は常にカメラが誰の視点か、どのくらいの距離感でその視点が存在するのかを十分に考える必要があります。
登場人物誰かの主観視点
もうひとつの視点は誰かの主観視点です。言わゆるPOVと呼ばれるPoint of Viewの視点です。非常に場の雰囲気をリアルに作り出す反面、目線の移動が人の思惑に左右されるため少し疲れるかもしれません。
物語の進行の中で神の視点と誰かの主観が行ったり来たりする瞬間もあります。
参考) POV
実際の撮影 ショットShot
さて、実際の撮影に関して見ていきましょう。
まずは例として次の映像を見てください。
実際の撮影で考慮するところは、次のことです。
1) ショットサイズ Shot Size
2) ショットアングル Shot Angle
3) カメラワークShot Camera work
4) マスターショット Master Shot
まずは、Shotショットにおける被写体との距離、サイズの話です。
1) Shot Size ショットサイズ
Shot Sizeショットサイズとは、カメラで被写体を捉える時の被写体までの距離と被写体の画面上での”入れ方”あるいは”切り取り方”のことです。
Shot Sizeには次のような種類がありますが、言い方やサイズには少しずつ違いが見られます。例えば、Middle Shotミドルショットという言い方もすれば同じサイズをWaist Shotウェストショットと呼ぶ場合もあります。お互いにどのサイズを望んでいるのかは細かく確認をしていった方が良いでしょう。
ELS Extra Long Shot エキストラロングショット
VLS Very Long Shot ベリーロングショット
⇅
1) LS Long Shot ロングショット
MLS Medium Long Shot ミディアムロングショット
⇅
2) FS Full Shot フルショット
3) NS Nee Shot ニーショット
⇅
MS Middle Shot/Mid Shot ミッドショット
4) WS Waist Shot ウェストショット
5) BS Bust Shot バストショット
⇅
6) US Up Shot アップ
7) CUS Close Up Shot クローズアップ
⇅
8) DS Detail Shot ディテールショット
9) BCU Big Close Up Shot ビッグクローズアップ
2) Shot Angle ショットアングル
Bird Eye (鳥瞰、俯瞰)距離のある俯瞰のアングル
High Angle ハイアングル(俯瞰、伏せ)比較的近い距離のアングル
Eye Level 目高(水平アングル)
Low Angle ローアングル(アオリ、煽り)
ここで注意しなければならないことは、目高という高さです。目高はあくまでもその時の被写体(俳優)の目線の高さという意味です。俳優の身長の違いで高さも変わります。立っているか座っているかによっても目線の高さは変わります。あくまでもその時の目の位置、目の高さにカメラの高さを合わせるということを忘れないように。
3) Camera work カメラワーク
カメラワークとは、カメラを動かす際のメソッドです。カメラワークの種類と方法、カメラワークによってもたらされる効果を理解していきましょう。
Fixフィックス
Panパン
Tiltティルト(アップ/ダウン)、
Zoomズーム(イン/アウト)、
Dollyドリー
Trackトラック
Followフォロー
Over Shoulder shotなめ、肩越しショット
フォーカス送り
Fixフィックス
カメラを三脚等で固定して動かさないで撮影すること。撮影の基本はフィックスです。
Panパン
カメラを横に振ることをパンといいます。
Tiltティルト
カメラを縦に振ることをティルトといいます。日本では縦パンという言い方もあります。
注)
カメラを振ることをすべてパンと言った方が、斜めに振る場合も含めて分かりやすいかもしれません。日本の場合はすべてをパンと言うことが多いようです。
Zoomズーム
カメラのレンズの画角を変化させることにより画面内の被写体のサイズを変えていきます。ズームを望遠方向(mm数を上げる)に変化させ、被写体に寄っていくことをズームイン、レンズを広角方向(mm数を下げる)に変化させ、被写体から遠ざかることをズームアウトと呼びます。
同じサイズで被写体を狙うにしても寄って広角で撮るか、引いて望遠で撮るかは印象が変わってきます。
Dollyドリー
カメラを遠近の方向へ前後に移動させることを指します。被写体に近づくドリーイン、被写体から遠ざかるドリーアウトがあります。
Trackトラック
カメラを被写体に対して距離を変えずに移動させることを指します。つまり横移動や回り込み、被写体が移動している場合には距離を保って撮影することです。回り込みトラックなどです。
注)
ドリーとトラックは言い方として違いはありますが、現場では混同して使うことがあります。例えば、ドリーアウトとトラックバックは同じ意味で使われます。
Followフォロー
カメラが被写体を追いかけることを指します。フォローパンとかフォロートラックなど、組合わせて使うこともあります。
Over Shoulder Shotなめ、肩越しショット
会話劇などの時に相手の肩を少し画面内に入れ、肩越しに語り手を映すことを言います。お互いの位置関係が分かりやすくなります。
Focus Pullフォーカス送り
目線の移動や注目点の移動がより明確になる効果です。
Deep Focusなど参照
4) マスターショット Master Shot
ひとつのシーン全体を、基本となる位置から撮影したショット。あるいはすべての基本となりえるショットのことをマスターショットと呼びます。
さて、
次は編集、つまりカットのつながりから映像の効果を考えてみましょう。
『編集からCUTを考えてみる』
その前に前回の 撮影ショットShot に関しての少し補足です。
撮影ショットShot で考えること 画角=被写界深度=レンズのミリ数
これってあまり考えたことないかもしれませんね。でも意外と重要なんです。
画角ってなんだ?
標準レンズでの映像の捉え方(03:50~)
昭和の名監督、小津安二郎監督も映像の見え方にこだわった監督です。その小津安二郎監督がこだわった標準レンズ50ミリの見え方、捉え方とは?(02:10~)
さて、今日の本題に戻りましょう!
編集で切り取る時間、つなぐ時間
編集によってもたらされる映像の時間というのは、必ずしも実際の時間の流れとは一致しません。例えば、15分の映像を見た時にその映像が15分間に起きた出来事とは決して限らないのです。ここに映像と実時間の不一致が生じます。
映像と実時間の一致と不一致
編集によってもたらされる映像の時間には時間と空間の一致と不一致、別の言葉を借りれば時間と空間のジャンプがあります。編集の中で時間は一瞬にしてジャンプし翌日になったり、あっという間に10年の歳月が経つことが出来ます。また、主人公が次の瞬間に別の場所に現れることも出来るのです。また時間の経過さえ遡ることや同時に行なわれていることを同時に映し出すことさえ出来るのです。
つまり映像は切り取られた時間であり、再び再構成することの可能な極めて自由度の高い要素だと言えます。
カットの特徴
映像の単位であるカットを考えてきましたが、カットとカットのつながりを考えていきましょう。
クレショフ効果
クレショフ効果(英語: Kuleshov Effect, フランス語: Effet Koulechov, ロシア語: Эффект Кулешова)は、ソビエト連邦の映画作家・映画理論家のレフ・クレショフ(1899~1970)が1922年に全ロシア映画大学学内で実験によって示した心理的効果です。
クレショフは次のような実験の中で3通りの編集をした映像を観客に見せ、その反応を調べました。
ひとつは、『スープの入った皿→男の顔』。
ふたつ目は、『棺に横たわる少女→男の顔』の順番に編集しました。
3つ目は『横になっている女性→男の顔』
皆さんはどのように感じるでしょうか。見てみましょう!
Kuleshov Effect / Effetto Kuleshov
その結果、それぞれに対して「男が空腹を感じている」、「男の心情が悲しみをもつ」、「男が女性に対して魅力を感じている」と感じました。
このことから、映像のつなぎ方が解釈を生み出し、そのつなぐ順番によってそれぞれ別の意味やムード、雰囲気をもたらすことが出来ることが分かります。これが映像編集のもっとも基礎的、基本的な考え方です。この効果は、映像表現以外でも、プレゼンテーションや広告など、静止画の組み合わせやコラージュにも応用されています。
映像編集は、そのつなぎ方によって個別の解釈をもち、感情、心理、ムード、雰囲気をもたらす
モンタージュ(Montage)理論
クレショフの実験のように、本来は不連続なショットとショットをつなぐことによって、映像に新たな特定のムードや意味を生み出すことを、「モンタージュ」と呼んでいます。さらに、映像に音声を組み合わせたものを、「視聴覚モンタージュ」と呼ぶ場合もあります。静止画の写真のみで複数の画像を組合わせたもの、あるいは合成したものを、「フォトモンタージュ」と呼びます。
いずれにせよ、モンタージュ理論とは、
「ある意図的な映像(組み合わせ)をを視聴した時に、そこに何らかの意味や感覚を見出そうとする」
人間の特性を利用しており、映像編集の基本的な原理になっています。
モンタージュ理論の起源
モンタージュ(Montage)は1920~30年ごろのソビエトで、エイゼンシュタインやプドフキンらによって理論として確立されました。当時の映画は音声がなかったため、映像間のつなぎ方の理論として組み立てられ、トーキー時代になって視聴覚モンタージュとして発展しました。
エイゼンシュタインの代表作「戦艦ポチョムキン(1925)」の中の「オデッサの階段」シーンは、モンタージュの代表例となっています。
エイゼンシュタイン監督作品『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段の場面(ソヴィエト、1925年)
この「オデッサの階段」シーンは、モンタージュ理論の代名詞となっており、民衆と権力、自由と弾圧、恐怖と狂気が極めて図式化した対立の構図となって描かれています。
次のシーンはデパルマ監督の名作『アンタッチャブル』(1987)のシーン。「オデッサの階段」のオマージュですが、非常に繊細で見事な演出です。
The Untouchables – Union Station Scene『アンタッチャブル』(1987) ユニオン駅シーン ブライアン・デ・パルマ監督
編集で切り取る時間、つなぐ時間
編集によってもたらされる映像の時間というのは、必ずしも実際の時間の流れとは一致しません。例えば、15分の映像を見た時にその映像が15分間に起きた出来事とは決して限らないのです。ここに映像と実時間の不一致が生じます。
映像と実時間の一致と不一致
編集によってもたらされる映像の時間には時間と空間の一致と不一致、別の言葉を借りれば時間と空間のジャンプがあります。編集の中で時間は一瞬にしてジャンプし翌日になったり、あっという間に10年の歳月が経つことが出来ます。また、主人公が次の瞬間に別の場所に現れることも出来るのです。また時間の経過さえ遡ることや同時に行なわれていることを同時に映し出すことさえ出来るのです。
つまり
映像は切り取られた時間であり、再び再構成することの可能な極めて自由度の高い要素だと言えます。
Cut は切り取られた時間であり、再び再構成することの可能な極めて自由度の高い要素である
カットの特徴
映像の単位であるカットを考えてきましたが、カットとカットのつながりを考えていきましょう。
映像のコンティニュイティ
映像の連続性(一致)のルールと不連続性(不一致)
映像の連続性あるいは不連続性のことをContinuity コンティニュイティと呼びます。映像にとってこのコンティニュイティは非常に大事なことです。映像が繋がっているか、繋がっていないかは観客に心地よさをもたらす反面、上手く繋がっていない映像は逆にストレスを与える場合もあります。ここでは具体的に「映像のコンティニュイティ」を見ていくことにしましょう。次の事項に注意しながら見ていってください。
- 時間の連続性
- 動きの連続性
- 方向の連続性(一致)
- 位置(関係)の連続性(一致)
- 視点(視線)の連続性(一致)
1. 時間の連続性
編集では観客を混乱させないために守らなければいけないルールがあります。それは時間の連続性と呼ばれるものです。カットを考える場合にその前後のカットとのつながりとしての連続性を考慮する必要があります。人物が床に倒れ込むカットの次には床に体が着くという動作につながらなくてはなりません。次のカットに床から跳ね上がるカットが来たら、観客は倒れ込まずにすぐに飛び起きたと思ってしまうでしょう。これが時間の連続性です。
つまり、あるカットの中の出来事が次のカットでも継続する場合、言い換えれば一連の動作をカットを切って見せる場合には、その時間的な継続性をきちんと維持する必要があります。そのために時間を正確につなげることや動きをつなげる必要が出てきます。また、画面内の方向や位置関係、視点の変化に伴う連続性も考えていかなければなりません。これは単に時間的な連続性だけではなく、方向、位置関係、視点の整合性の一致ということを含んでるのです。
このことは、前回の実時間の不一致、時間の自由さと一見矛盾することに思うかもしれませんが、観客を混乱させないためのルールとして覚えていて欲しいことです。
逆に連続性のルールを無視する、あるいはわざと不連続なカットのつなぎをする場合もあります。その場合は、その場面に特殊な意図があることを意識させます。カットバック、クロスカッティング、フラッシュバック、インサートカット、ワンアクション、ダブルアクションなどが挙げられます。
2.動きの連続性
例えば、ボクシングシーンで、Aがパンチを出す、Bがパンチを受けるリアクション、Bのゆがんだアップ、Bが倒れこむ、Aが手を挙げる。みたいに動きには連続性が必要になります。
あるいはアクションには『アクションとリアクション』という連続性のつながるルールがあります。
3.方向の連続性(一致)
例えば、西部劇で対面している2人、AとBが銃を撃つとします。カットとしては、上手向きのA、下手向きのB、AとBの2ショット、手が動く(下手向き)、Aが拳銃を撃つ、Bが倒れる。この一連のショットの中で、方向の一致によって私たちは対峙、対立の構図、Aの動作、Bの動作、その結果を知ることができます。
2人の人物が話をしているとき、Aの目線とBの目線はお互いに対峙している方向を表します。
また、画面内の方向や位置関係、視点の変化に伴う連続性も考えていかなければなりません。これは単に時間的な連続性だけではなく、方向、位置関係、視点の整合性の一致ということを含んでるのです。
このことは、前回の実時間の不一致、時間の自由さと一見矛盾することに思うかもしれませんが、観客を混乱させないためのルールとして覚えていて欲しいことです。
逆に連続性のルールを無視する、あるいはわざと不連続なカットのつなぎをする場合もあります。その場合は、その場面に特殊な意図があることを意識させます。カットバック、クロスカッティング、フラッシュバック、インサートカット、ワンアクション、ダブルアクションなどが挙げられます。
イマジナリーラインと180°ルール(180 degree rule)
ふたり以上の登場人物がいる場合にお互いの位置関係、視点を混乱させないためにカメラ位置に関する法則(ルール)が存在します。それは、イマジナリーラインと呼びます。(海外では180°ルールと呼びます)
具体的な例を挙げていきましょう。登場人物としてここに向き合ったふたりがいるとします。そこに撮影のためのカメラを置く場合に、ふたりを結んだラインを”イマジナリーライン”と呼び、カメラは原則としてこのラインを超えて撮影してはいけません。それは、映像として登場人物の向きや視線が画面上で逆向きになるため観客にとって誰が誰に向ってアクションをしているのか混乱を来すからです。つまり一度どちらかの側で撮影を始めたら最後までそのイマジナリーライン(180°ライン)を超えずに撮影するのが原則なのです。これをイマジナリーライン(ルール)、180°ルールと呼びます。
しかし、このルールに例外もあります。それは意図的に観客を混乱させたりする場合です。また、カメラがドリー(ヨコ移動)した場合にこのイマジナリーラインを超えた場合には、次のカットでもラインを超えてしまっても混乱が生じることがないからです。
プロットとは?
さて、シナリオを書く前に企画やコンセプト、テーマ性、メッセージなどを考えてみてください。
いきなりシナリオを書き始めてもいいのですが、出来ればプロットを考えてみてください。
プロットというのはシナリオのような描写やセリフなどは入りません。代わりに物語が進行する時の要点を記したいきます。ただし、単に要点を書けばいいのではなくて何がポイントかを記述していきます。
プロット Plotとは、脚本を書くにあたっての”骨”を作る作業のこと
または、それぞれの”骨”の部分を確認し、全体として流れが導かれて、間違った方向に行っていないかを確認する作業
プロットPlotの本来の意味は、筋・構想・策略を練る、描く、見取り図など
その物語の主題テーマ、設定、背景、相関関係、エピソード、因果関係、変化を分かりやすく書き記したものです。
主題テーマ 作品のテーマ
設定 登場人物の設定
背景 物語の世界観や時代背景、設定
相関関係 登場人物同士の関係
エピソード 物語で起こる事件やエピソード
因果関係 人物とエピソード、エピソード同士の関係
変化 物語の進行により、人物の心情や設定の変化
登場人物とその設定と役割
主人公 配置 性格
その上で時間経過による「感情の変化」や「状況の変化」を記述する
主人公や登場人物が置かれている境遇
その中でも不安定な要素を作っていきます。その不安定な要素がどちらかに動き出したり、転がり出すことが物語の流れ、つまりストーリーなのです。不安定な要素
葛藤、臆病、苦悩、弱点、支配、欠点、焦燥、挫折、消失、障壁、不信、優柔不断、対立する立場、関係
善と悪、利害関係、反発、感情、心情、心理
不安、恐怖、苛立ち、怒り、驚き、喜び、デフォルメ
誇張、悪、秘密アクションとリアクション
動機づけ、行動
感情移入 驚きサプライズ
時間軸の流れ
自信、勇気、愛、友情
プロットの書き方は、いろいろとありますが、フローチャート的、関係図的な書き方を勧めます。
つまり登場人物、背景、設定、時間の流れ、お互いの関係、変化が分かるように線を引きながら書くことです。
『プロット』の例
テーマ「夢」
主人公=弟、兄、父、母。4人家族。
父親は炭坑夫で一家を支えるために近くの炭坑で重労働をしている。
⬇︎
兄弟はまだ学生で兄は父親と同じ炭坑夫になるつもり。
⬇︎
弟はまだ進路を決めていないが、兄は大学に行けと言っている。
⬇︎
エピソード
兄は、弟のために炭坑夫になる
ある日、父親の炭坑で落盤事故があり、父親が亡くなってしまう。
⬇︎
しかも兄を助けに行って帰らぬ人となってしまった。
⬇︎
弟は、父親の死を受入れることが出来ず、兄の事をどこかしら恨んでいる
兄はどうして父親を助けられなかったのか。
⬇︎
弟は、大学に行く夢を諦め、消防夫になろうとしている。
⬇︎
母親は、兄の事が心配で弟と同じ消防夫か警察官になれと言う。
⬇︎
弟は、消防夫の訓練に受かり、消防署に配属される。
⬇︎
そんな時、また炭坑で落盤事故が起きる
⬇︎
生存者は、いないかもしれない
⬇︎
でも、小さな空気孔から現場まで行けるかもしれない
⬇︎
今度は弟が助けにいく
⬇︎
母親は、泣きながらお前まで失いたくない、と言う
⬇︎
弟は、父親を助けられなかった分、今度はみんなを助けたいんだ、と言う
⬇︎
ここで行かなければ、一生後悔するかもしれない
⬇︎
弟は母親の思いを振り切って落盤事故現場に行く
⬇︎
現場では、何人かが生き埋めになって出られないでいた
⬇︎
そこに兄の姿が、兄は他の仲間を助けるために残っていた
⬇︎
弟は兄と一緒に炭坑夫の仲間たちを助け始める
⬇︎
そして兄が父を助けられなかったのは
父が同じように仲間を助けるために
最後まで残っていたからだという事を知る
⬇︎
兄は兄で他の仲間を助ける事を優先して
父が奥にいく事を止められなかったのだと
⬇︎
そして兄への誤解が解ける
⬇︎
その時、大きな煙と小爆発が
二人の運命は
⬇︎
心配する母親
⬇︎
しばしの沈黙の後
トンネルの入口から
出てくる二人と仲間たちの姿が見える
⬇︎
安堵する母親
エンド
これがプロットです。大きなあらすじと言えるかもしれませんが、違いはこれをシナリオに落とし込むときに必ずしもすべてのプロットがシナリオに反映されるとは限りません。例えば、シナリオの書き出しは、もしかしたら父親の葬儀から始まるかもしれないからです。でも前提となる設定やそこに至った経緯を明らかにするうえでプロットにその背景となる事実や設定を記しておくことは重要だと考えます。
(ここからは引用してます)
「脚本の書き方講座」では、ピクサーの『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』を例にしながら、
本作の脚本家が第1幕の作り方を順を追ってわかりやすく紹介している。いわく「本当に難しいのは結末でなく冒頭」
1. 主人公の紹介。および主人公に目的を与える。主人公の好きな物、特徴づけるものを明らかにする。
まず、主人公の
・状況設定
・大切なもの
・弱点
を決める。
「大切なもの」とは、例えば:
・ウッディ(トイ・ストーリー)……アンディ(ウッディの持ち主)
・マーリン(ファインディング・ニモ):家族(妻と子供)
・インクレディブル:スーパーヒーローの地位
「弱点」とは「大切なものを愛し過ぎ、執着しすぎるとそれが弱みとなる」ということ。
・ウッディ:アンディの「お気に入り」の地位
・マーリン:良い父親であること
・インクレディブル:自分の仕事に誇りを持ちすぎること
主人公の「大切なもの」「弱点」が決まったら…
2.「嵐雲」を起こす。あくまで嵐の兆しであり、災難そのものではない。
・ウッディ:アンディの誕生日(自分たちを脅かす、新しいオモチャがやってくる)
・マーリン:イソギンチャクの外に出ると危険だらけ
・インクレディブル:バディ・パイン(熱狂的ファンの少年)の登場
3.「大切なもの」を失う。
・ウッディ:アンディのお気に入りの座をバズ・ライトイヤーに奪われる
・マーリン:ニモ(子供)をダイバーにさらわれる
・インクレディブル:社会的に糾弾され、ヒーローの地位を奪われる
4. 主人公に「屈辱」を与え、世界は不公平だと感じさせる出来事を起こす。
・ウッディ:みんなの前で空を飛ぶバズ。旧式のウッディは恥をかく
・マーリン:(そもそも自然界は不公平な場所だから、屈辱は不要)
・インクレディブル:人助けしたのに犯罪者呼ばわりされ、地味な職業に追いやられる
5. 主人公を「岐路」に立たせ、2幕へ進む。
屈辱を受けた主人公は
a) 健全な道
b) 分別のない、無責任な選択
のどちらかを選択しなければいけないが、a) を選んだらそこで物語は終わってしまうので、必然的にb) を選んで代償を支払う羽目になる。
・ウッディ:a) 引退する b) バズを殺して、ふたたびアンディのお気に入りに復帰する
→代償:バズを連れ帰るまで家に戻れなくなる
・マーリン:a) 子供を信じてまっとうに育てる b) 過保護に育てる
→代償:子供がダイバーに連れ去られる
・インクレディブル:a) 一般市民として平凡に生きる b) 妻にウソをついてヒーロー活動を続ける
→代償:組織に目をつけられ、大きな事件に巻き込まれる
(この5. が、俗にいうところの「プロットポイント」となる)
シナリオは
「柱」、「ト書き」、「セリフ」で構成されます。
「柱」(Headline)は、
そのシーン場面の舞台となる場所を指し示します。これはカメラを置く場所(撮影場所)ではなく、登場人物が行動している場所と考えてください。つまり場面の場所は公園だとしても、カメラは遥かに離れた反対側の丘から撮影しているのかもしれません。「柱」は、シーン(登場人物)の位置、時間帯の順に書き記します。最初に◯を書き、ひとマス空けて場所、時間を記します。
例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)
のようになります。また、特殊な「柱」として 回想、想像、夢などのシーンもあります。
「ト書き」(Narrative Description)は、
もともとは歌舞伎用語です。歌舞伎の脚本では、古くから役者の動きや音楽を指定するために、“ト振り向いて”や“トやって来る”のように書かれていました。 映像シナリオにおけるト書きは、行の一番上から3マス空けて、人物の動作やそのシーンの状況を具体的に書き記します。 ここで一つ注意して頂きたいのは、ト書きは常に現在の状況を書き記さなければならないという点です。ですから現在形で書くのが原則です。
例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)
ユウスケがパンをくわえながら、あわてて玄関を出て行く。
「セリフ」(Dialogue)とは、
文字通り登場人物が話す言葉を指します。 セリフは、行の頭に登場人物の名前を書き、その下にカッコを書いてその内容を書きます。セリフが長くなり、改行する場合は2行目からは段落を1マス空けて下さい。続けて上から書くと読みにくくなりますからね。 また、“!”や“?”などの感嘆符の後も1マス空けて下さい。 セリフの最後の丸“。”は省略して下さい。 これらは、全てシナリオを読みやすくするためのルールです。
例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)
ユウスケ(17)がパンをくわえながら、あわてて玄関を出て行く。
ユウスケ「やべえ、もうこんな時間!」
通常のセリフ以外に、“モノローグ(monologue)”と“ナレーション(narration)”というものがあります。モノローグは、声には出さない心の声です。 ナレーションは、第3者的に画面外から聞こえてくるセリフ、神の声を指します。登場人物の一人がナレーションを担当する場合もありますし、ストーリーには絡まない第三者がナレーターを担当する場合もあります。 モノローグ、ナレーションは、名前の後にカッコを書き、その中にM、Nと書き込んで下さい。
モノローグ(独白)
「オレは、ユウスケ。高校2年生だ。」(M)(独)
ナレーション
「彼はユウスケと言う高校2年生。」(N)(ナレ)
テロップ(字幕)
「メインタイトル」(T)
それ以外にも
(回想)回想シーン F.I. フェードイン F.O. フェードアウト O.L. オーバーラップなど
シナリオ実例(カット割り/絵コンテ用として)
実例1)
課題としてのキーワード 学園もの。友人との登校時の何気ないひとコマ。コミカルな状況。
登場人物 ユウスケ(主人公17才、高校生)、タカシ(高校生17才、ユウスケの悪友)
学校の正門で登校時に出くわす
◯ 学校の正門の前 (朝)
ユウスケ(17)が、遅刻しそうになりながら走ってくる。そこへ友人のタカシ(17)がちょうど出くわす。
タカシ 「おう、おはよ!」
ユウスケ「おう」
タカシが鞄を頭に当てようとしたのをよけながら、ユウスケはそのまま正門に駆け込む。生徒指導の教師が正門の扉を閉める。
ユウスケ「セーフ」
タカシ「ぎりぎりセーフ。一限の木下、課題やって来たか!?」
ユウスケ「あっ、」
ユウスケは立ち止まり、少し天を仰いで、ため息まじりに呟く。
ユウスケ「アウト」
カット割り(例)
S01_C01 学校正面情景 登校する生徒たち 3″+00f
S01_C02 正門カメラヒキ(内側から) ユウスケが奥から駆けて来る 3″+00f
S01_C02 正門外カメラやや俯瞰後ろからフォロー ユウスケにタカシが近寄ってくる 2″+00f
S01-C03 正門ヨリ(外から) 小走りユウスケの背中姿MS 2″+00f
S01_C04 鞄の逆光よぎるUP 1″+00f
S01_C05 ユウスケ(正面)UP 横を見て 0″+15f
S01_C06 ユウスケMS チョイとよける 1″+00f
S01_C07 タカシのUP 逆光で「おはよ!」 1″+00f
S01_C08 ふたりでそのまま駆け込む2ショット 1″+15f
S01_C09 門が閉まる俯瞰 1″;00f
S01_C10 2ショットUP「セーフ」 1″+00f
S01_C11 タカシUP正面「ギリギリセーフ、」 2″+15f
S01_C12 ユウスケ顔UP タカシ「一限の木下、課題やってきたか?」5″+00f
S01_C13 2ショット ふたりフリーズして、 1″+00f
S01_C14 ユウスケUP驚き あっ 1″+00f
S01_C15 空のみ (ユウスケ声)「アウト」 2″+00f
課題例
男女の出会いを少しコミカルに描く。そのままラブコメに発展しそうなスタイル。
登場人物 ユウスケ(主人公17才、高校生)、ミチヨ(16才、高校生)、女子高生(16才、ミチヨの友人)
自販機の前で飲み物を買っている時にぶつかり、二人が出会う
実例2)
◯ 電車のホーム (夕方)
ユウスケ(17)が電車から降りてホームを歩いている。前の自販機で女子学生ふたりが飲み物を選んでいる。
女子学生「どれどれ、早く!ミッチ」
ミチヨ 「えー、」
ミチヨが迷っている間に、女子学生が飲み物のボタンを押す。ガチャンと飲み物が落ちてきて、ミチヨはそれを取ろうとかがむ。ちょうど通りがかったユウスケにかがんだミチヨのカバンが軽く当たる。
ユウスケ「いてっ」
ミチヨ 「あっ、ゴメンなさい」
ミチヨが向き直った時に取った飲み物を差し出す形になって、ユウスケも差し出した飲み物を反射的に受け取ってしまう。
ミチヨ 「あっ、それは。そうじゃなくて」
ユウスケ「オレ、炭酸系がいいんだけど」
ユウスケは差し出された飲み物をミチヨに返す。
ミチヨ 「あっ、ありがと」