本日がデジタル映像表現応用の13回目になります。
座学的な話を中心にお届けしようと思います。
というか、もうツールの使い方は教えません。
AfterEffects合成のまとめ
マスク合成
加算系合成
クロマキー合成
ルミナンス合成
デプスチャンネル
ここから先は良質の映像をいっぱい観て、体験してもらおうと思います。
せっかくなのでなかなか話が出来ないアニメの話をしましょう。。。
題して
日本のアニメのはなし
ここに取り上げたアニメ作品はぜひフルバージョンで見てください。作品としてだけではなく、そこにある技術や表現手法も理解するようにしてください。
80年代
『レンズマン』(1984)
日本の黎明期のCG会社、JCGLが総力を結集して制作したCGとアニメの融合作品。CGもレンダリングが1フレーム10分でアンチエリアシングもテクスチャーも貼れない時代でした。
それでもオープニングのレンズの表現力は、当時のフィルムでもオプチカル技術を投入した最高傑作と言えます。
『ロボットカーニバル』(1987)
北久保弘之と森本晃司が中心となり、8人のクリエーターが「ロボット」をテーマに作成した7本の短編をオムニバス形式で構成した作品。
どれも面白いし、ロボットをモチーフにした若手のクリエイターたちの自由な発想が生きています。
特に 1:01:23 –
「明治からくり文明奇譚〜紅毛人襲来之巻〜」
メインスタッフ
監督・シナリオ – 北久保弘之
キャラクターデザイン – 貞本義行
メカニックデザイン – 前田真宏
作画協力 – 毛利和昭、森山ゆうじ、川名久美子
『AKIRA』(1988)
大友克洋の漫画原作を大友自ら長編アニメとして初監督した作品
何が凄いって、光の表現、特にバイクのテールランプの残像表現
当時はまだデジタルではなく、フィルムのコマ撮り撮影だったから、
残像や残光表現は非常に難しい技術でした。
それをさらりとやってしまったんだから、凄いのひと言です。
https://youtu.be/Avnq3rFnezE
板野一郎
作画監督であり、その後はアニメ監督としても作品にかかわっている
『板野サーカス』と呼ばれるミサイルの尻火や煙の作画は当時もそうだが、今でも伝説的なクオリティだと言われている。
90年代
『パトレイバー/PATLABOR 2』(1993)
監督 は押井守、ドキュメンタリー的な映像描写
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)
発売されたDVD売上げがアメリカで第1位となる。監督 は押井守。90年代は大友克洋と押井守の時代と言ってよいと思う。彼らのために4°CやProduction I.G.というアニメ制作会社が設立した。また、デジタルエンジンというCG会社も作られたが、プロダクションマネージメントに失敗し、1年をせずに解散する。やはり、優れた監督やクリエイターを育てたり、プロデュース出来る優秀なプロデューサーがいてこそ作品が作られるといういい例だと思います。
2000年代
『アニマトリックス』(2003)から
The Animatrix Final Flight Of Osiris
02年のSF作品①『攻殻機動隊S.A.C.』
『パプリカ』(2006)
監督は今敏、原作は筒井康隆
10年代
『ほしのこえ』(2002)
新海誠がアニメに与えた影響力は計り知れない。初作品『ほしのこえ』はほとんど一人で制作している。何が凄いって空の色が凄い気がする。デジタルだからこその青空の色合いはそれまで出すことのできなかった色とグラデーションだった。
それまでのアニメの背景は撮影のためにほとんどが画用紙に水彩で描いたものだった。だからどこか透明感に乏しい。それがフルデジタルで描かれた背景にはグラデーションや光彩の表現が加わり、
透明感のある背景が実現されている。それを新海誠一人が発明したと言ってもいい。
『君の名は。』(2016)
『SHORT PEACE』(2013)
大友克洋がプロデュースしたオムニバスアニメ
3DCG、Toon Shaderトゥーンシェーダーを用いたアニメは、
『アップルシード AppleSeed』(2004)、『エクスマキナ EX Machina』(2007)などがあるが、興行的にはどれも失敗している。それはモーションキャプチャーの生っぽい動きとセルアニメのキャラクターの質感が微妙だったからとされている。監督は荒牧伸志。そのあたりは、その後、神風動画やサンジゲンなどのアニメの作画手法をうまく取り入れた制作会社が変えていったし、ポリゴンピクチュアズ Polygon Pitures制作の『シドニアの騎士』(2014~)が上手くシリーズとしての制作体制にも成功している。
『魔法少女まどか☆マギカ』(2011)
20年代へ
『シン・エヴァンゲリオン』(2021)から何を見通すのか?
『竜とそばかすの姫』(2021)
ネットフリックス“日本アニメが世界で躍進”
最近のアニメでは断トツの映画『THE FIRST SLAM DUNK』
日本アニメがもたらす影響力は計り知れない。ただしその根っこにある日本の産業構造、下請け体質、低賃金のアニメーター、作画スタッフ、制作スタッフなど問題はたくさんある。そこを変えていくための新たなプロデュース力やマネージメント力が必要になってくる。
さて、
自分の最終課題の中身は見えてきていますか?
ここから先は
相談、アドバイスの時間に充てたいと思います。