デジ映表技応用 第14回(7/18) 先輩たちの話

本日の授業も前半は座学でお送りします。

今後の予定

第14回(7/18) 少し座学 + 実作業日、相談日

第15回(7/25) 最終作品発表

時間が許せば、個別面談、個別相談やります!

まずは、先日開催した『イマーシブ・ダークナイト』Apple Vision Proの体験と知見を持ち寄る

さて、

デジタル映像表現として私たちは何を学ばないといけないのか?

みなさんは1年生の早い時期からCGに触れる機会があって恵まれた環境にいると思います。半面、映像全般から学ぶというよりもCGの知識やツールを先に覚えるというやり方の中で、少し戸惑うところもあったかと思います。
私が心配するのは、CGのことばかり理解を深めて映像のこと、コンテンツのことを正しくとらえることが出来なくなること、です。

社会に出て、映像制作の現場に出た時に、歴然と直面するのは

CGは映像コンテンツの中の一部分に過ぎない

CGは技術や表現の一部でしかない

ということです。

ですから、皆さんはもっと映像全般に関する広い知識と映像をストーリーのあるコンテンツとして捉えていく必要があります。

 

これからの世の中とは?

この映像は、7,8年前に学生たちと制作した未来の話です。6分余りの映像を4名の学生たちと1か月かけて作りました。

IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)などがもたらす未来とは?

という命題を話し合い、調査や取材をして短いですが、映像にまとめたものです。

今見ても興味深い内容になっている気がします。

映像の中にも出てきた2人

アルビン・トフラー

マーシャル・マクルーハン

マクルーハンはもう60年も前の人なんだけど、いくつもの『凄い言葉』を残しています。

〈われわれはバックミラーを通して現代を見ている。われわれは未来に向かって、後ろ向きに進んでゆく〉

と。しかし彼自身は過去にあったものから新しいものを類推せずに本質を見ていました。スマートフォンのようなものが出てくると、人はつい過去の経験からそれを理解しようとしますが、なるべくそうしたバックミラーは見ずに、ちゃんと目の前のものに向き合って考える必要があるでしょうね。

 

みんなと同じ世代に頭角を現した先輩たちの話

ここで、みなさんと同じ頃に何かしら抜きんでた才能を発揮し始めた人たちの話をしましょう!

松浦勝人

彼は大学生の頃レンタルレコード屋さんでアルバイトをしていて、そのままダンスミュージックレコードの直輸入販売を始めてその売り上げマージンをもらい、そこからレコードレーベル会社を起業するまでになりました。起業したのは彼がまだ23歳の時です。そして、その会社は今のエイベックス avexとなっていきます。最近の松浦さんは成り上がりの典型みたいな傍若無人ぶりですが、もともとはもっと純粋な人だったと思います。

庵野秀明

もう一人は「シン・ウルトラマン」「シン・ゴジラ」や「エヴァンゲリオン」でお馴染みの庵野秀明。
高校、大学時代からそのアニメーションの作画センスは抜きん出ていました。

彼が所属していた大阪のアニメ同好会『DAIKON FILM』(大学生だった山賀博之・庵野秀明・前田真宏・貞本義行ら)が自主企画をバンダイに持ち込んで製作した「王立宇宙軍 オネアミスの翼」のレベルにアニメ業界は驚愕しました。当時、映画館で「オネアミスー」を観た私はあまりのクオリティの高さに暫く席を立つことが出来ませんでした。今で言う新海誠と同じような現象だったと思います。その同好会はそのままガイナックスという会社となって現在に至っています。

『王立宇宙軍~オネアミスの翼~』(1987) 監督 山賀博之、庵野はスペシャルエフェクトアーティストで参加。

今年は35年を記念して4Kリマスター版の発売らしい
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4Kリマスター版

彼らDAIKON FILMがバンダイに企画を持ち込むときに作ったパイロット版
それでも凄い!

ハリウッドの『アポロ13』(1995)VFXを手掛けたのはDigital Domain(ジェームス・キャメロンが創設)

日本だと『宇宙兄弟』(2012)VFXを手掛けたのはオムニバス・ジャパン(東北新社系ポストプロダクション)

 

ドラマ『アオイホノオ』
大阪芸術大学に通う学生焔燃がプロの漫画家になることを目指す物語。原作者島本和彦の学生時代を描いた自伝的作品で、当時関わった実在人物や、影響を受けた漫画やアニメがしばしば実名で登場するが、多くは実態よりも脚色や誇張がなされたフィクションとされている。第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第60回小学館漫画賞一般向け部門を受賞

 

おまけ
VRの未来はどうなるのか?

VR映画

もうなくなってしまったけれど、Googleが実験的に製作していたGoogle Spotlight StoriesではVRの短編映画が何本か創られている。

『Pearl』(2016)VR短編CGアニメ  初めてVRアニメがアカデミー賞短編アニメ部門ノミネートされた
360°VRバージョン

ノーマルバージョン

同じくGoogle Spotlight Stories『HELP』実写とCGを組み合わせたVFX満載のパニックムービー
2016 CANNES LIONS GOLD LION AWARD WINNER for VIRTUAL REALITY and TECHNOLOGICAL ACHIEVEMENT受賞

『HELP』(2016)VR短編VFX

『HELP』(2016)VR短編VFXメイキング

Behind The Scenes: Google ATAP ‘HELP’

VFXを制作したのは英国のVFXスタジオ THE MILL

Google Spotlight Stories

 

以上 ここまで