さて、本日が『映像論』の15回目です。
まだまだ、みなさんに伝えたい話はいっぱいあります。
でも、授業という枠の中では今回が最終回になります。
そして、後半は
私たちのデジタル映像の未来 のはなしです。
みなさんが社会に出るころの映像の世界、エンターテイメントの世界、は果たしてどうなっているんでしょうか?
あるいは、今後10年後、20年後のデジタル映像の世界はどうなっていくのでしょうか?
未来を正確に予測することは難しいと思います。なぜなら、技術とその結果もたらされる映像の世界は刻々と変化し続けているからです。
ドローンの可能性
東京オリンピック開会式は、ドタバタで残念でしたが、東京オリンピック2020開会式 ドローン1800機余り
そのすぐ後に、中国共産党100周年を記念して、深センの竜崗区で5,200機のドローン
夜空に浮かぶドローン群 中国人民解放軍 創設95年(2022年8月1日)
中国の最新ドローンショー
日本のドローン会社 株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, inc.)
最近気になる面白い技術たち
ボリュメトリック
ニコンクリエイツが手掛けたボリュメトリックとバーチャルプロダクションの融合
これからの映像は実写、ボリュメトリック、バーチャルプロダクション、CG、VFXがシームレスに繋がっていくことになるんでしょうね。しかも限りなくリアルタイムに近い形で。。。
デジタルサイネージ
手掛けたのは東北新社系のCG/VFXポストプロダクション『オムニバスジャパン』
https://www.omnibusjp.com/shinjuku3dcat/
LEDのピッチサイズ
https://visatech.co.jp/blog/pitchsize
日本でも発売されている家庭用LEDディスプレー
75インチで何と15万円を切る価格
TCL
番外篇
ここでも紹介した映画ですが『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987) 、この映画に出てくる宇宙ロケットの発射シーン。これはもちろんアニメとしても初めてですが、ここまでの表現を実現したこと自体素晴らしいと思います。
かつて、若者たちが集まって、アニメを作りたいと企画を立てました。その企画はとあるメーカー(バンダイ)に持ち込まれ、そこの取締役の目に留まり長編アニメとして製作がスタートします。初めて作る長編アニメ製作に彼らは自分たちの夢や想いを重ねていったのです。そのアニメこそ伝説的なオリジナル『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)です。そしてその長編を作るために出来たアニメ会社が「ヱヴァンゲリヲン」のガイナックスです。この映画に集った若者たちが初めて長編アニメに取り組み、完成させたものです。彼らは当時平均若干27歳。
エクゼクティブ・プロデューサー:山科誠
企画:岡田斗司夫、渡辺繁
プロデューサー:末吉博彦、井上博明
監督・原案・脚本:山賀博之
助監督:赤井孝美、樋口真嗣、増尾昭一
キャラクターデザイン・作画監督:貞本義行
作画監督:庵野秀明、飯田史雄、森山雄治
スペシャルエフェクトアーティスト:庵野秀明
美術監督:小倉宏昌
撮影監督:諫川弘
撮影スーパーバイザー:八巻磐
3DCG:ハイテックラボ・ジャパン
編集:尾形治敏
音響監督:田代敦巳
音楽監督:坂本龍一
脚本協力:大野木寛
設定スーパーバイザー:野田昌宏、江藤巌
デザイン、レイアウト:藤原カムイ
オープニング、エンディングイラスト:大西信之
映画『アポロ13』(1995)これはCG、VFXを駆使して表現されています。VFXを手がけたのはDigitalDomain(米)
映画『宇宙兄弟』(2012)でのロケット発射シーン.
VFXを手掛けたのはオムニバスジャパン(日)日本も頑張っているけど、正直ハリウッドには10年遅れているぞ。。。
本当に最後に、
昨年、『デジタルコンテンツ概論』の中で紹介した私が手掛けたドラマの中のVFXのワンシーンを
もう一度お届けします。この映像論でも紹介したワークフローパイプライン、トラッキング、合成、エフェクト、カメラマッピングなどを
駆使した作品です。改めてみるとどのように作られているかが、わかってくると面白いと思います。
(限定公開)
最後に
私たちは、大学にいて 何かを学んだり、自分の興味関心、視野を広げる日々を送っています。
ぜひ、そのために大学の設備、機材、環境、教員たちをうまく利用するようにいてください。
授業を受けたり、課題やレポートをこなすことだけが、大学では決してありません。
ほとんどの人とはこの授業が最後になります。
でもまたどこかで、一緒に何かを生み出すことが出来るといいな、と思います。
では、皆さん元気で!