Drone Control ドローンコントロール

ドローンのコントロールに関する研究開発をするプロジェクトです。

TOKYO2020 東京オリンピックで使われた技術とは

7月23日に使われた1824台のドローンによる光の演出は、アメリカIntel社の「Shooting Star」システムによるものです。このシステムは以前に韓国で行われた2018年平昌五輪でも使われています。「Shooting Star」システムはGPSとRTKで位置決めを行うプログラム飛行です。

GPS+RTKによるプログラム飛行

 「Shooting Star」システムはGPSとRTKで位置決めを行うプログラム飛行です。事前に飛行パターンと発光パターンを入力して飛ばす方式で、人の手による遠隔操縦は行いませんし、ドローン自身の自己判断能力もありません。

 RTK(Real Time Kinematic)とはGPSを補助して精度を高める装置で、地上に基準局を設置してGPS衛星通信の誤差を検出して補正した情報をドローンに送ります。これにより精度がセンチメートル単位まで向上し、密集飛行させることが可能になります。このため、ドローンはRTKの基準局がある付近でしか密集飛行はできません。つまりこの方式は軍事用途には全く不向きです。

軍事用ドローン・スウォーム戦術との違い

 軍事用に将来考えられているドローン・スウォーム(ドローンの群れ)戦術とは、単にドローンの数が多いというだけの意味ではありません。単純に数が多いだけの一斉攻撃なら、既存の多連装ロケットでも可能な古典的戦法に過ぎません。

 ドローン・スウォームとは各ドローンが自己判断で自律戦闘を行う徘徊型兵器であり、さらに群れの仲間同士で連携を行いながら戦う群体兵器システムのことを言います。

 進化した人工知能(AI)と優秀なセンサー、僚機との通信ネットワーク能力。群れ全体で得た索敵情報を統括し、目標付近の仲間に攻撃を指示し、遠くの仲間を呼び集め、群れ全体が一つの生き物のように考えながら行動する未来の兵器です。戦場に投入された場合は革命的な変化をもたらすことになるでしょう。

 しかし自律戦闘型ドローンは敵と味方と非戦闘員を識別して戦闘を行うには高度な人工知能を完成させる必要があるので、実用化はまだ当分先の話になります。細かい識別をしなくてよいというなら今直ぐ作れますが、不用意に戦場に投入した場合には戦争犯罪としか呼べない結果を招いてしまいます。